令和5年度 積雪期登山講習会「遭対・指導部合同」報告

(1) 事業名 令和5年度SMSCA登山学校 積雪期登山講習会・指導員研修会
(2) 趣旨 積雪期登山の安全普及と技術向上を目的とする
(3) 主催 (一社)埼玉県山岳・スポ-ツクライミング協会(主管:指導委員会・遭難対策委員会)
(4) 期日 令和6年2月18日(日)日帰り
(5) 会場 谷川岳登山指導センタ-上部斜面(西黒尾根登山口周辺)
(6) 参加団体および人数
    個人会員委員会1名 川口登山同好会9名 日本山岳会埼玉支部1名 浦和渓稜2名 
    大宮岳稜会1名 四季彩会2名 大宮アルパインクラブ6名 加須市山岳連盟1名
(7) 指導講師   日本スポ-ツ協会公認指導員
    中上級クラス講師:瀬藤 武(主任)・矢田 実
    初級クラス講師:鈴木一美(主任)・秋庭 栄
(8) レポ-ト(まとめ) 秋庭 栄
 残雪期を思わせる地肌の露出と積雪量およびロ-プウェイ利用のロスタイムを考慮し、天神平周辺から登山指導センタ-上部に場所を変更しての講習となりました。
 日帰りという少ない講習時間の中、初級クラスは雪山に慣れてもらうことを主眼に、とにかく登下降中心で歩いてもらいました。
 今シーズンは雪崩による山岳遭難事故が多く発生しています。SMSCA所属の会員の皆様にはこのような積雪期登山講習会に参加され、雪山の経験と登山技術の向上を目指し、雪崩発生の予見も含め研鑽いただければと思います。
                           記:秋庭 栄(遭難・指導委員会委員)

◆初級クラス
   例年より雪が少なく予定を一部変更して実施。本来は雪の斜面の登り下りを行うが、今回は雪の締りも悪く、一般トレースを使わず新たにトレースを付けながら、登り、下りを練習する。
   急な斜面でのトレースのつけかた、下り方を練習。特に下りでは、ロープを使用しての下り方などを実施した。実施の仕方として、参加者を2班に分け途中で指導員を交代しながら行い、万遍なく指導できたと思います。参加者は日ごろ歩かない所を歩けたと、楽しんだようだった。
                              記:鈴木一美(初級主任講師)
◆中上級クラス
 ・2月18日 積雪期講習会中上級クラス(1班の報告)
 ・受講生 7、 講師1名
 ・全体講義(夏と冬との違い等)を行った後、2班に分かれ講習を行った。
 ・講習内容
  ①基本操作の確認
   ロープワーク確認、カラビナの使用方法を行った。参加者の一部に熟知していない参加者が見られた。
  ②アンカーの構築
   雪面でのプラトー構築と注意点、ピッケルによるアンカー構築と注意事項、小枝等によるアンカー構築と注意事項等。特にプラトーの大きさ、踏み固め、ピッケル打込み位置及び角度を説明。
  ③滑落停止講習(時間の都合により省略)
  ④制動確保から事故脱出講習
   2班に分かれてプラトー構築、ピッケル打込み、肩絡み確保、滑落時の制動、フリクションノットをセットし事故脱出まで。 基本動作の確認以上に途惑う参加者が見られたが全員が実施。
 ・全体としての感想
  従来は、2日間の講習で充分な時間が取れたが今回は日帰りの為やや時間不足と思われた。日帰り講習であれば、個人会員委員会のように実技講習前の座学講習を行った後、実技講習を行った方がより理解できたのではと思われる。
  参加者の一部から、事前に講習資料を頂きたかったとの意見もあった。
                             記:瀬藤 武(中上級主任講師)